子育てしながら働くということ(13)。発達障がいクエスト

前回の投稿より半年以上も期間が開いてしまい申し訳ございません。
昨年2019年は(特に9、10月)自然災害が多い年でした。大変でした。
今年2020年もよろしくお願いします。

第11回より発達障がいについて話を始めました。
前回は、感覚統合の未発達が原因と言われ、対策はどうすればいいのか答えを見つけるまでの話をしました。

今回は、療育センターへ初めて行ったときの話をしようと思います。

まず初めに「療育」とは何かというのを軽く触れておきます。

療育:治療教育の略称(諸説あり)

私なりの解釈。
障がいを「治療」することは出来ないのですが、周囲の働きかけにより(特に子供の)社会自立やより不自由の少ない暮らしが出来るようになるのを目標にトレーニングをすること。

周囲という中には、家庭、医療機関、教育機関、福祉保健機関、行政機関、地方公共団体、地元の自治会などが含まれるイメージです。

療育センター(福祉施設)は、簡単に言うとトレーニングセンターです。

療育センターへ行ってみようということになり、電話で予約を取ります。

県内(東京近郊です)には9つの地域療育センターがあります。(政令指定の市を除く)最寄りのセンターは満員で入り込む余地がありませんでした。
少し離れたところにある療育センターで「空き」があり、そこへ行くことになりました。

初回は、アセスメントの実施です。有名なところでは「田中ビネー知能検査V(ファイブ)」「WISC-IV(ウィスク・フォー)」というものがあります。いわゆる「IQ」を測る検査です。(テスト実施時点の測定値であり、一生この得点が継続するわけではありません)

・ひたすら組み合わせパズル(図形)を覚えて、同じ反復パターンなのはどれか選択せよ。
・絵や文字が特定の条件で変化して並べて書いてあり、そのなかの虫食い部分にはどの絵や字が入るか選択肢から選べ。
・数字の並びを覚え、長い桁の数字をどれだけ暗唱できるか。
・口頭で言われただけの数を並びを逆順に言い返せるか(例:12345は、54321)

などなど。

意味のある図形のストーリーを理解する力
・意味のない図形のストーリーを理解する力(推測しつぎにどうなるか予想する力)

人間同士のやりとりの因果(例:2人の人間がいて、殴った人は怒りの表情で、殴られた人は悲しみの表情をしている)を理解しているか。

検査を横で見ていた私でも、解答が難しいなと思う問いもありました。

★一般抽象化した言い方をするならば
・短い文章の読解力
・短期記憶力(ワーキングメモリ)
・推理・推測・類推力
・広義での社会性
などを材料に知能を測るものでした。

結局のところ、明確な鑑定は出ませんでした。

わかったのは、聴覚が視覚より鋭利でありパターンが理解できる問いは回答できるが、無意味なパターンの問いに理解が難しいということでした。
また、試験者の指摘ですが指先の制御力が年相応でない。ということもわかりました。

重要なのは、聴覚>視覚 といった 感覚間の不均衡(アンバランス)が生きずらさを生み出しているということでした。

言語能力に関しては、問題なし。
身体能力については、次回以降、作業療法士とのやりとりで診ていくことになりました。

県の委託をうけて事業を行っているスタイルの療育センターの場合、原則 月1回。という間隔で通うということでした。1回60分です。

私は、月一回、午後半休を取得して、保育園から療育センターへ通う生活が始まりました。
療育の目的のほかに、1年後に控えた小学校入学に備え、学校側へ事前に専門家の意見を申し伝え、具体的な合理的配慮を相談する情報を得ることも大きな目的でした。

通学予定(学区)の小学校には、特別支援学級が設置されていませんでした。
このあと、市や教育長や小学校へ要望することが始まるのですが・・・。


尺が余ったので、唐突ですがコラム

不安を拭うために。

子どもと接していて、我々の生活のなかはいかに不確実性が多いか、推測で乗り切っている(自己解決している)事象が多いかを、再認識させられました。

地震などの自然災害はもちろん、
コンピュータやスマホが固まって動かなくなったり
助けが必要なときに必要な人に電話がつながらなかったり
Wi-Fiが途切れたり
テレビ番組が急に緊急ニュースに切り替わったり
電車が人身事故で運転見合わせになってしまったり
川の氾濫で、高層マンションが停電になったり
高速道路で渋滞になり(原因が不明のまま低速前進するしかなく)時間を要したり。

「○○だったらどうしよう」
「○○の原因がとんでもないことだったらどうしよう」
「自分の存在が危うい状況になったりしちゃったらどうしよう」

そんな不安のなか2019年によく聞こえてきたワードで

「命をを守る行動をとってください」

これは、子どもにとって大変不安をあおります。(と私は主張します)
マスコミ的には、トップクラスの注意を呼び掛ける便利な言葉なのでしょうが。

子どもにとっては 意味不明です。

・心臓をおさえ防御態勢をとるのか
・警察や消防に助けをもとめるのか
・食料を確保して、餓えに備えるのか
・睡眠を十分にとって体力を温存するのか
・武器を持って臨戦態勢をとるのか
・小学校と中学校、どっちが頑丈なのか
・車で逃げるのか、徒歩で逃げるのか
・逃げる行動で命が危険にさらされないか

親が、なんとか具体的にどう行動するか説明しますが、親にも分からないことは分からないのです。
その時に、大人なら推測や諦めをもって心を落ち着かせることができますが、自閉症などの「こうであるべきだ」というこだわりが強い子だちは納得がいかず、大声で泣き叫びます。

そのことの理解を、少しでもわかってほしい。というのが直近に抱いた想いです。

今回はこんなところです。
また書きます。

まーさん について

2児の父。親父サークルを運営協力してます。プラレール大好きな息子と音楽大好きな娘がいます。