前回は、幼稚園と保育所の違いについて思うところをお話ししました。
今回より子育て関連の話題でもちょっと毛色の違う話題をお話しようと思います。
◆前々回(第9回)に、朝の送迎について子どもへ説得させたエピソードをお話しました。
文中で、子どもの言動が時々キツいシーンがあったと思います。
また、こだわりが強いなと読めるシーンもあったと思います。
具体的には
(抜粋)
特に抵抗が大きかったのは上の子(お兄ちゃん)でした。
「ただでさえ、行きたくない保育園に、なぜもっと早く行き
長く滞在しないといけないのか!」激しく怒っていました。
詳しくは書けませんが、保育園に「とても行きたくない」のです。
小学生になった今でも、妹のお迎え等で保育園に同行させるときは
絶対に保育園の門をくぐろうとはしません。門の前で待機しています。
(抜粋)
子「会社ばっかりあるのに、何でマクドナルドがないんだよ!」
私「困ったねー。喫茶店でもいい?」
子「いやだ。コーヒー飲めないし。」
私「ケーキもあるよ。コーヒーを飲む必要はないよ。」
・・・というやり取りの末、ドトールでチョコレートケーキを食べることで落ち着きました。
実は、上の子(お兄ちゃん)は、【自閉症スペクトラム】という脳の障がいを持っています。
去年(2018年)ようやく専門機関で鑑別することができ、診断名が付きました。
また、専門医の見立てでは【ADHD(注意欠陥多動性障がい)】という障がいもオーバーラップしているのではという見解もありました。
※おことわり
この文章においては、障害のことを「障がい」と記すことにします。
「害」の漢字を用いると 害虫駆除 みたいな感じがして嫌だからです。
◆今回の表題を「発達障がいクエスト」としたのは
あまりにも情報が少なく、情報にたどり着くまでに本人も親も苦労したという意味からです。
これからお話することによって同じように悩んでいる方の少しでもチカラになれば・・・
また「世の中には、こういう人がいるのだ」と正しく共感してもらえる人が1人でも増えるようになれば・・・という願いをこめて、今回からこの話題を書こうと決めました。
◆前述の自閉症とADHDというのは、表出する症状にさまざまなパターンがありまた、知的障がいとも異なるのです。
[うちの子の例ですが・・・]
・記憶力がある。
・言葉づかいは達者。冗談がいえる。
・大人とやり取りできる。
・個々の感覚(いわゆる五感)は問題なく機能している。
・(環境次第で)読み書きできる。
・ブランコが得意
・言葉づかいが的確でないときがある(粗雑になる)
・周りの喧騒具合にあわせて、声の調整が難しい。
・話の流れにあわせて、会話を継続することが難しい
・同年代の子ども達とのやり取りが少ない。
・長い時間まっすぐ座ってられない。
・トイレのエアードライヤーの音をとても怖がる。
・予定不調和に対応できない。異常に不安がる。
・気持ちの切り替えが難しい。
これらの現象について、3歳くらいから戦ってきました。いま7歳(小2)です。
【関係機関の行脚】
かかりつけ小児科 → 大学病院の小児科 → 整形外科 → 市の家庭相談室 → 地域療育センター→(小学校入学)→ 通級の見学 → 市の教育相談室 → 相談支援事業所 → 放課後デイサービス → 発達外来(開業医) → 国立精神神経医療研究センター病院 → 小児神経疾患の専門外来(開業医) → 特別支援学級
【テストや検査】
WISC-IV
JSI-R
CONNERS3
PARS
K-ABCⅡ
【専門家のみなさま】
保育士
加配の保育士
小児科医
小児神経科医
家庭児童相談員
臨床心理士
作業療法士
小学校の担任の先生
小学校の教頭先生
通級の先生
市の教育委員会
相談支援員
発達支援コーディネータ
特別支援学級の先生
はい。知らない単語ばかりですよね。
「1つずつググって調べて下さい。」
なーんて言ってても、思考停止しちゃいそうなのでちょっとずつ説明していきますね。
長くなりそうだ。。。
用語説明を軸に、解説する手法にしますね。
何回かに渡ってお送りしたいと思います。
1.いわゆる五感とのつながりについて
五感とは、ご存じだと思いますが、触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚のことです。
これに加えて、固有覚(固有受容覚)、平衡感覚(前庭覚)というのがあります。
特に次の3つを「基礎感覚」といいます。。
・触覚:触る触られてるを感じる感覚
・固有覚:手足の状態・筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚
・平衡感覚:身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚
これらが上手く結びついて、わたし達は様々な刺激を丁度良く受け取り刺激に対しての応答を丁度良い強さで行えています。
なんとなく出来ているので気にしてないと思います。
この結びつきが未完成だと
・周りの喧騒具合にあわせて、声の調整が難しい。
・長い時間まっすぐ座ってられない。
・トイレのエアードライヤーの音をとても怖がる。
・予定不調和に対応できない。異常に不安がる。
(予定不調和・・・例:高速道路なのに渋滞に巻き込まれる)
これを「感覚統合の未発達」と言ったりします。
私は、市の家庭相談室の家庭児童相談員の方から説明を受けて初めて知りました。家庭相談室は、保育所の先生に教えていただき知りました。各市区町村にあります。保健センターに併設している場合が多いようです。
感覚統合の未発達が原因と言われ、対策はどうすればいいのか・・・
みなさんも考えてみてください。
1つヒントは、子どもは思ったことを上手く言葉にして伝えられないということです。
困った事象には必ず「原因」があるはず。
そう思って子どもと接するようになりました。
なんだか、私の仕事である、SEの仕事と似ている部分もありますね。
トラブル事象→一次解析→二次解析(ベンダ調査)→原因部位の特定→暫定対処→本格対処→運用対応(マニュアル反映)
今回はこんなところです。