だいぶ時間がたってしまいましたが、BUSINESS IDEA FARM(前回記事)からなんとか1つのサービスをリリースすることができましたのでお伝えさせていただきます。
そのサービスの名前は、「声でつくるえほん」です
諸事情によりお伝えできない部分等もありますが、今回は、前編、後編に分け、当該サービスがどのようにして生まれていったのかをお伝えしたいと思います。
まずは、どういうものなのかを知ってもらわないと始まらないので先にサービスの説明を。
「声でつくるえほん」とは、その名の通り、話しながらえほんを作ることができるサービスです。
説明といいつつ、体験してもらえるのが一番早いので、ぜひ使ってみてください!
(PCでもスマホでもできます。スマホのほうがおすすめです。)
https://voicemade-story.appspot.com/
https://app.voicemadestory.com/
(2019/6/11 急で申し訳ございませんが、都合によりURLを変更させていただきます。旧URLは、2019/6/21で停止させていただきます。)
はじめに
BUSINESS IDEA FARMは、全社員からアイデアを募集、評価、選定し、事業化に繋げていくという当社初の企画です。(記事参照)
最終的には、全社員1,500人から80件弱のアイデアを出してもらうことにつながりました。
ここでいうのもなんですが、ほんと社員のみなさんには感謝です。
アイデア評価
いきなりで恐縮ですが、正直、評価に関しては非常に苦しみました。
100m走のように早い人が勝つという、わかりやすいといいのですが、アイデアの背景がすべて同じ条件でない(市場状況やスタート地点の違い、保有技術のある/なし)ことや、これから作り出すものなので比較対象がなかったり、評価する側もする側で各人が保有する保有知識状況によっても、Aさんは新規性がある!Bさんはない!とが分かれたりする状況でした。
が、愚痴とか含めるといろいろありすぎて伝えきれませんが、なんとか1つに絞りこみました。
アイデア選定
選定したアイデアは「音声テキスト化IOTシステム(Raspberry Pi)」というアイデアです。
アイデアの中身は、
アイデアとしては、入力した音声を自動的にテキスト化して、LINEのようなチャット形式でWeb画面へ表示するIOTシステム。小型PC「Raspberry Pi (ラズベリー・パイ)」を利用したIOT機器として端末を提供。利用用途は「会議室に設置して議事録代わりに」「手元に設置して文字入力をサポート」「コミュニケーションツールとして」など、様々な提案が可能。
というアイデアです。
大まかな選定理由としては、ITシステムを作る際に必要不可欠だけど面倒でもある議事録のタスクを簡略化→IT以外にも活用できる可能性の広さ、実証実験するにも安価で実現できる、音声認識APIの技術獲得も可能といった点から選定しました。
競合はどう?市場性はどう?等々きになることはたくさんありすぎますが、まだ荒いアイデアなのでもう少し深堀してから深い評価をすることにしておりました。
実証実験(プロトタイプ)
次のプロセスとしては、実証実験です。
実際にRspberry Piを購入、音声認識は、クラウドの音声認識APIで簡単に仕組みを組み、実際に音声がどの程度認識されるのか?二人同時で話したときとかはどうなるのか?など、実際の会議の場を想定して実験してみました。
結論としては、「まだ今の認識精度では使えない」という結論に至りました。
(と同時に、改めて人間の耳と脳はすごいことをやっているんだなぁという勉強にはなりました)
騒がしい環境×、複数人が重なる会話→×、マイクとの距離が離れると→×、早く話す→×等もろもろ調整すればもう少し精度はあがる可能性はあるかもしれませんが、もう少し技術の発展を待たないと難しい状況という結論でした。
ですが、ここであきらめませんでした。
発展アイデア
アイデア発案者と企画側で、あきらめる前に発展アイデアやアイデアのピボットで何かできないか?をもう一回考えてからにしよ
うということで、実証実験結果を踏まえて音声認識から発展するものは何かないか?関係者でアイデアを出し合って出た結果が「声でつくるえほん」というアイデアに行きつきました。
ディスカッションの流れとしては、つぎのような会話を重ね、
・ゆっくり発音しないと認識しない。
→ 冠婚葬祭やプレゼンのスピーチで使えるんじゃない?
・単純に話した短い言葉を、文字にして難聴者向けに画面に出してみるだけは?
→ もう、結構そういうサービスあるねぇ。
・正しく発音しないと認識しない。
→ 英語の学習とかに活用できるんじゃない?(正しく発音するまで訓練できる)
→ ことばを覚える小さいこども向けは?
・最近プログラムを学ぶゲームが流行っているので、音声で操作させてみたらどうかな?
→ 話した言葉で、ものがポンとでてきて、それを操作する感じにしたら活用できそう
だけど、音声でそれするのって面倒だし、イライラしそう。
会話にあった、「話した言葉でものがポンと出てくる」「小さい子供向けで言葉を覚える」
というきっかけから、「子供が話したストーリーを絵本してみたらおもしろいかも」
ということで、ベースのアイデアができました。
後編に続きます。