はじめまして!ソリューション営業部の齋藤(makoto3891)です。
いきなりですが、昨年度TDCソフトにおいて、プロジェクトマネジメントに関する国際資格であるPMPの累計資格取得者が500名を突破したことを機会に、記念品としてタオルを作ることになりました。
記念品として選んだのが今回ご紹介する東京都の青梅にあるタオルブランドである
「HOTMAN(ホットマン)」
です!
なんだ、タオルの話?と思われた方いらっしゃいますよね?
普通のタオルとはちょっと違うタオルなんです。
今回は、そのタオルを制作している「ホットマン」の工場を拝見をさせていただく機会をいただき社員数名と工場見学に行ってきましたので、ホットマンについての話と、工場見学の様子をお伝えしたいと思います。
1.HOTMAN(ホットマン)とは
まずは、ホットマンについてお伝えしておきます。
ホットマンのこだわりは、この5点につきます!
・自社工場を構えて、企画~販売まで一貫したシステムで運営
・繊細なシェニール織りを提供
・水分を1秒で吸収する「1秒タオル」
・色あせしない「永遠色」
・フェアトレード
なかでも「1秒タオル」がかなりの驚きです。
タオル業界では、5秒以内で水分を吸収すればそれなりに吸収力が高いと評価されるのが一般的のようですが、ホットマンは1秒で吸収できることを基準として設定しています。
実際使ってみると、他のタオルに戻れなくなります。。。
(これは、工場見学終了後に購入して使ってみた感想です)
とこのままの勢いで書いているとどこかのショッピングチャンネルのようなことになりそうですので、少し戻してホットマンの沿革をお伝えします。
ホットマン社はもともと絹織物製造の企業として明治元年に創業されました。
当初は本業の絹織物製造の傍ら、副業としてタオル事業を営んでいたホットマンですが太平洋戦争時を挟んで戦後の需要の増加から業態を1970年にタオルに特化し、現在に至ります。
その長い歴史の経営の歴史の中では会社の経営には何度も大きな変化がありました。
1970年に専門メーカーに生まれ変わった7年後には、他社が卸流通に頼る中六本木に直営店を開設し、自社販路を拡大。
また、直営店の開設前の準備として大量に消費されるのが前提のタオルを高級品として再定義し価格競争を避け、品質を犠牲にしないため、製造工程の大半を自社で行う等、同業他社とは一線を画す経営に舵を切られました。
1985年にはドイツのアルパロー社よりシェニール織製造設備を技術導入など伝統芸能の伝承にも力を入れる傍ら、7年後には直営店が70店舗を突破。
近年では、セネガル共和国で育ったコットンを使うことでフェアトレードへの取り組み、また各工程で本社所在の青梅市在住者の雇用を推進することで単なる営利企業に留まらない企業運営を志向されている会社です。
フェアトレードとは:原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善を図る取引のこと)。
2.では工場見学へ!
ホットマンの工場は、東京都青梅市にあり、JR青梅駅から少し離れたところにあるので、青梅駅まで車で迎えにきていただきました。
青梅は、奥多摩の自然に溢れた駅を降りた瞬間周りが山が視界いっぱいに広がっている、空気が済んだ場所です。
余談ですが、車中にて、伊勢丹や京王といった百貨店に店舗を持たれている事やブランドとして販売していくために敢えて販路を絞っている事を教えて頂きました。
当日は生産部の高瀬様に工場のご案内頂きました。
ここからは写真と合わせて当日の様子をお伝えします。


まず最初に工場の1Fでは糸が出来るまで、糸の良しあし、おり方について解説がありました。
普段私たちが触れるようなタオルは、塩素系薬剤に浸して吸収性を上げています。
ホットマンではそうした薬品を使わず「超長綿」と呼ばれるエジプトやアメリカで生産される糸を使い吸収性が高く耐久性の高いタオルづくりを行っています。
また織り方も目指す風合いに応じて千差万別です。
柔らかさや風合いを重視したパイル織、パイル織をした生地を光沢を出すため先端をカットするシャーリングなど、縦糸と横糸、そして表面をどう加工するかで同じ糸を使っても全く違う風合いが得られるようです。


次に糸の巻についてです。
写真3に白い巻糸が付いていますが、これをホットマンではチーズと呼んでいます。確かにチーズっぽいですね(笑)
これを3000個、専用の機械に巻きつけ写真④と写真⑤のように巨大な鉄の芯に巻きつけようやく写真⑥のように、織機にかけられる状態となります。
なお、こうした綿を糸にする「撚糸」工程、糸を巻きつける「巻糸」工程からこの先の「織り」、「仕上げ」加工まで、ホットマンでは自社で行っています。
この工程では、多くのメーカーで失注リスクを避けるため分業していることが多いようです。
そこをあえて、自社で実施しているのは、品質を徹底的に管理するためだそうです。


そろそろタオルづくりも最終段階です。次に裁断と縫製の様子をご覧下さい。
写真⑦を見て頂くと分かりますが、タオルは織り上がった段階では1枚の大きな布になっており、それを裁断するのですが、これをホットマンでは手作業で行っています。
(写真を撮り忘れてしまいました・・)
また、この裁断と縫製、出荷前の工程を担当されているパートさんは地元での採用が多く、地域に貢献することを考えて実施されているようです。



また、冒頭に特長としてお伝えした、シェニール織という特殊な手織りタオルも作っています。
これはもともと18世紀にイギリスで開発されドイツで発展した織り方ですがベルベットのような肌触りのソフトで厚みがでるため人気があるそうです。
このタオルの特徴的として、ドイツ企業の織機を使い手作業で柄を出している点です。
これは実際に私が購入したものですが、小さい面積に繊細な柄を出すため1日3~4mしか作れません。
糸そのものがシェニール(フランス語でけむしの意味)というデザインした柄を含んだ糸を使い、それをよこ糸にして柄が現れるように織るという「再織」という手間がかかりますが、その分丈夫さと立体的で繊細な柄が出せるのだと言います。
価格は15㎝四方の大きさですが、おおよそ2000円程と市販されているタオルより高めの価格です。


以上で工場見学は終了し、この後は本社近くにある直営店に立ち寄り、見学終了となりました。
3.工場見学を終えて
工場見学を終えて、各工程での工夫、徹底的な品質管理など、タオルにかける想いが工場内の至るところに感じられ、
同行したメンバーからは
・たとえ同等の設備、環境があったとしても、企業としての拘りがなければいい物はつくることが出来ないと改めて感じた
・競合他社との差別化を図りこれなら「負けないというもの」を全社で作り上げることが、今後60年、80年、100年と続いていく一つのヒントではないか
などの言葉が上がりました。
私たちの仕事の取組みにも非常に参考になる工場見学でした。
それと、少し違う観点で、私が特に印象に残ったのは、写真は撮影できませんでしたが工場で働いている人達の笑顔やひたむきな表情でした。
ご案内頂いた高瀬様をはじめ、タオルづくりの各工程に携わられている皆さんは本当に一つ一つの商品にプライドを持って取り組まれており、自社の歴史や製品のどこが優れているのかを、心から楽しそうにお話しされておりこうした人々がつくっているからこそ「一度買ったらずっとリピーターになる」(社員の方のお話)製品が生まれるのだなと得心した次第です。
私にとってはそうした気持ちを維持し続ける事の大事さを学べたことが大変大きな財産となりました。
青梅のホットマン本社には販売店舗もありますので、是非今回ご紹介した完製品の素晴らしさを体感して頂きたいと思います。
長文にお付き合い頂きありがとうございました。