介護離職ゼロへ(4)

介護セミナーを開催するにあたり、
ターゲット層をどうするか、
必須参加にするか、任意参加にするか、
開催する時間帯はどうするか、
等々色々と迷った。
無事に終えて、教訓を自分なりに考えてみた。

教訓1.ターゲットは「介護に直面する前の社員」

⇒集合型イベントを実施するなら、
介護に直面する前の30代後半~40代くらいの社員。
その局面を迎える前の準備が介護離職を防ぐという意味でも有効だし、
ターゲット層が結構厚いので一斉実施に向いている。

教訓2.参加は「必須」とすべし

⇒「介護」はその局面にならないと考えない。
ターゲットの方々は緊急性を感じていないため、任意参加では集まらない。
ただ、必須にすると「業務命令?」ということにもなる。
どんな位置づけのイベントとするか明確にすることも大事。

お金

教訓3.テーマは「仕事と介護の両立(基本編)」とすべし

⇒いつかやるものと思いつつ、その局面になるまで調べない人が多いのが介護。
離職防止が目的なら、両立のための心構えと準備、初動をどうするかが分かる基本編が適当。
基本編から更に理解を深めたいとなると
・介護費用(介護保険で賄えること、できないこと)
・認知症の対応
等と、分野が分かれてくることが実施後のアンケート結果から伺える。

なお、講師の方に聞いたところ、
介護費用のことだけでも奥深く、2時間のメニューがあるとのこと。

社内教育

教訓4.経験談の提供は打診してみるべし

⇒経験者は、意外と自分と同じ境遇の人に経験談を共有したり
役立てて欲しい思いがあったりするらしい。
プライベートなことに触れて欲しくない人もいる点には配慮が必要だけど、
介護していることを申し出しやすい雰囲気があれば、もっと提供者は増えるかも。

受講者目線で自分が特に共感したのは
「帰省した時などを利用して、介護準備チェックリストでチェックしてみましょう」
という話。

例えばこんな質問。
・重たい買い物はどうしていますか?
・家の中で段差につまずいたりしていませんか?
・電球の交換はできていますか?
・冷蔵庫に同じものがいくつもありませんか?

買い物

自分の親のことを考えた時、
何年か前から次のことは子どもが帰省した時に頼むようになっている。
・重たい物(米、醤油、等)の買い物
・電球の交換
・電気の傘の掃除

介護や支援が必要な状態ってどういうことか?
例えば、「食事をする」ことを考えた時
・メニューを決める
・買い物に行く
・料理をする
・食べる
・後片付けをする
という工程がありますが、
要支援ということは、買い物に手伝いが必要になる状態。
また、重い物が持てなくなると料理や片付けにも支援が必要になってくるそう。
そう聞くとドキッとする。

そして、要介護ということは、全ての工程で手伝いが必要、
または自分ではできなくなるということなのだそう。

厚生労働省では次のようなチェックリストを提供しており1、各自治体で65歳以上の方を対象に活用。
予防が必要な人には教室に参加いただく、等の施策を講じているそう。
こういった市区町村の取り組みも利用しながら、予防に努めたいもの。
checklist

最後に・・・

全ての社員に親がいるわけだから、親の数だけ介護に直面する可能性がある。
「会社で聞ける場があるのはホッとする」
なんてコメントがいただけると、やった甲斐があったな~と嬉しくなる。

「介護離職ゼロへ」はこれで最終話となります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!