ストレスチェック実施期限(昨年の11月30日が期限)が過ぎて約1か月が過ぎました。
義務化されてから初めてのストレスチェック、みなさん無事終わりましたか?
実施してみて、成功したこと、初めて知ったこと、想定とは異なっていたこと。
各企業担当者それぞれ思うことがあるのではないでしょうか。
ストレスチェックの実施が終わり、労働基準監督署への書類提出が終わると一先ず担当者にとっては一段落だと思いますが、ストレスチェックの実施は、実施自体が目的ではありません。
結果を分析して、職場改善をし、ストレスによる不調者を少しでも減らしていくことが、最終的には生産性の向上、業績アップにつながると考えられています。
しかし、そうは言ってもどうしたらいいのか分からないというのが人事担当者の本音ではないでしょうか。
そこでストレスチェックサービスを導入支援している担当者の視点から、お客様にお伝えしているポイントを3つご紹介します。
ストレスチェック実施後のやるべきこと3つ
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分析結果を見つめる
まずは結果を正しく把握しましょう。
「どの部署でストレスを抱えているメンバーが多いのか」
「どんな要因によってストレスが引き起こされているのか」
というような観点で情報をまとめてみましょう。例えば、あるお客様の分析結果です。
A開発チームでは、家族や同僚に気軽に相談できなくてストレス値が高い傾向があることがわかりました。どうやら、この部署はほとんどの社員が独身一人暮らしで残業時間も他部署に比べて群を抜いて高いということでした。さて、あなたの会社なら、どんな解決策を考えますか?
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結果を関係者に共有する
まずは結果を衛生委員会や経営者、管理監督者と共有します。
高ストレス者の面接で得られた現場の実態も合わせて把握すると詳細な情報が取れます。
また、多くの企業では、管理職まで組織分析結果を共有していました。 -
取り組みの仮説を立て、実践する
組織分析結果を見た人事担当者から、実際はこんな声をいただくことが多いです。「うーん、なんとなく分かったけれど、、、」
「傾向は分かったけれど、どんな対策を取るべきかわからない」そして、皆さん口をそろえて、
「この後どうしたらいいの?」
「他の企業はどうしているの?」というご質問です。
そこで、営業として私がお客様におすすめしているのは、
「まずは要因の仮説をいくつか挙げてみて、考えられる対策を計画してみましょう。」
というご提案です。PDCAサイクルを回し、企業改善に努めることを厚労省は推奨していますので、今がその実践です。
また、ストレスは様々な要因が起因しているので、以下のようなポイントで異なる角度からいくつか対策をとるのがいいと思います。・職場の外的要因(光、空調、においなど) ・人間関係(上司や同僚、家族との関係) ・作業時間(適切な作業量、残業時間) ・健康(食事内容、生活習慣から起こる体調不良)
先ほど挙げたA開発チームの例では、他の部でも似たような傾向が見られたことから以下のような仮説と解決策を人事担当者が考えられていました。
■ストレスの要因
「家族や同僚に気軽に相談できる状況にない」
■仮説
1.忙しくて離れた家族と会う時間がとれないのではないか
2.気軽に話す関係が築けていないのではないか
3.夕飯の時間が遅く、栄養バランスのとれた食事がとれていないのではないか■対策
1.家族旅行の推奨と旅費負担
2.社内積極的な「あいさつ」の徹底化、「部内イベント」への補助補てん、管理職への部内コミュニケーションに関する教育指導の徹底化
3.会社近くにある店と連携し、18時~19時限定の食堂を提供。栄養バランスのとれたメニューを提供している。来年のストレスチェックでいい結果がでて欲しいと目を輝かせながらお話頂きました。
こんな素敵な人事がいる企業、これから成長していくのだろうなあと実感した瞬間でした。
ストレスチェック実施後のやるべきこと3つのまとめ
1.分析結果を見つめる 2.結果を関係者に共有する 3.仮説を立て、実践する
いかがでしたでしょうか。人事担当者にとってはマイナンバーに続いて「義務」の増加であり、複雑な制度設計に負担の声も聞こえます。
しかし、メンタルヘルスと生産性は密接な関係にあり、健全な職場環境をつくることが業績向上の第一歩であると認識され始めています。
義務化をチャンスに変え、生産性の高い職場に向けて積極的に取り組んでみましょう。