~アクセラレータとして活動していた経験より~
少子高齢化、働き方改革、IoT・AI(人工知能)などの技術発展・・・ 昨今、社会環境に大きな変化が起きており、 Oxford Report (2013)によると、 『20年後までに47%の職がAI(人工知能)や機械化などの影響で職が失われる可能性が高い』 と言われている。 企業では、さまざまな専門分野を持ち寄り、連携し、補完し合うエコシステムの時代に突入した。
リスクはスタートアップだけではない
このような社会環境の中、世界中に数多くのスタートアップが台頭してきている。
製造業を中心に大手企業は垂直統合型から水平分業型にビジネスモデルを転換し、スタートアップとの連携に力を入れ共創を図っている。
しかし、スタートアップの取り巻く環境は非常に厳しく、92%のスタートアップが3年以内に消えてなくなっている。
生き残っていたとしても、その過程で失敗を経験するだろう。
これはスタートアップに限らず、企業の新規事業担当者も経験していることだ。
ただ、企業の新規事業は着実な成長を望むビジネスを構築することが多いのに対し、スタートアップは短い期間で急成長を図るビジネスを構築していく。
さらに、 ・スタートアップは、簡単に始められるが簡単に辞められない ・スタートアップは、ワークライフバランスがない ・スタートアップは、メンタルの問題に悩まされる
一方、大企業で働けば、自分のスキル・経験が他社で通用するのかわからない。
特化型分業制であるため、残念ながら業務のすぐとなりの領域もわからない。
中小企業で働けば、会社がいつつぶれるかわからない。
フリーランスをとれば、40歳定年説が出てくる。
すべての働き方にリスクはついてまわる。
スタートアップ創業者曰く、 「リスクを取れるうちに取っておいたほうがいい」 「リスクを取らないのがリスクだ」 その通りだ。
今、必要だからスタートアップを立ち上げる
スタートアップでしか解決できない問題があるというときにのみ、スタートアップを選択し立ち上げるべきである。
長期的にスタートアップという手段を用いて、今、やるべきだと思えばやる。
Y Combinatorによると、
スタートアップの成功は「アイデア×プロダクト×実行×チーム×運」で決まるそうだ。
重要なことのひとつは、「なぜ、今始めるのがベストなのか」を考えること。
今始めると、市場環境がどうで、事業構造がどうで、収益はこうなると。
もしあなたのアイデアやプロダクトが、長期的に収益を上げることができる良いものであれば、新規事業部門への異動や普通に起業したほうが良いのではないか。
あなたのアイデアが誰からも信用されない「一見馬鹿ばかしく見える、実は良いアイデア」であれば、あなたはスタートアップ以外に手段はなくなる。
そういう意味で、良いスタートアップの創業者は、誰にも相手にされず、既存の組織や枠組みの中では実現できないから致し方なく起業家になる。
それがスタートアップ創業者の心境であろう。
スタートアップにとって機械化が機会になる
機械によって職が失われ、機械によって新しいビジネスが生まれる。
・暇な移動時間を、新たな時間の使い方で過ごす ・予防医療で長寿化が進行し、消費が増える ・機械に負けない人間教育を行う ・人間しかできない職業が希少価値になる
今は小さい市場で良い。だからと言って、ニッチ市場を狙うこととは違う。
急成長する市場をまず独占する。
そのために、まずはビジネスモデルよりも価値あるプロダクトをつくることが大事。
こちらのほうが難しいから。
その市場で待ち望んでいるプロダクトを顧客のためにつくる。
優れたプロダクトがあれば、資金調達やプロモーション、人材獲得は簡単になる。