こんにちはイッティです。 今、アントレプレナーが熱いんです!
アントレプレナーとは、一言で言うと起業家のことを指します。訳しただけですけどね(笑)
独創的なアイディアや技術で新しい市場を切り開く、アントレプレナーとはそんな方々のことです。
日本経済は「グローバル」、「少子高齢化・労働人口減少」など、企業にとって脅威となり得る外部環境変化を万人が認識する中、これを打破するためにはオープンイノベーション施策を推進し、内部だけではなく、外部と共創しながら勝ち抜いていこうという戦略が流行しているじゃなかろうかと。(裏は取ってませんので私見です)
オープンイノベーション施策が流行しているってことは、逆にアントレプレナーにとっては、支援する企業が多くあるという『いい環境』であると思うからです。(これももちろん私見です)
そうは言っても、もちろん、起業して成功を収める人は一握りという過酷な世界です。そのような世界に自ら飛び込む方は、相応の理由や行動のきっかけとなる背景があるのではないか?― そのように考え、当企画は「ビジネス番外地 アントレプレナー列伝」と名付けた連載企画をスタートすることにしました。
ビジネス番外地とは、名の如く起業したビジネスそのものではなく、アントレプレナーの人となりにフォーカスし、後に続くであろうアントレプレナーを志す方々の精神的なバイブルになるという野望を抱き、始めたいと思います!!
さて!記念すべき『アントレプレナー列伝』の第1回は株式会社エモーションテックの代表取締役 今西良光様にご登場いただきました!!
(イッティ)第1回ということで、多少緊張しています。よろしくお願いします。
(今西(敬称略))はい、よろしくお願いします。
(イッティ)なんだか改めると緊張しますね(笑)では、早速始めましょう!起業のきっかけとなったターニングポイントはズバリ何ですか?
(今西)大学を卒業し、新卒で入社したのは、大手メーカの営業部門でした。当時、私が所属していたチームは社会的に大きく問題として取り上げられたお客様を対応する部門でした。
そのため、日頃の業務が激務だったことに加え、軍隊的な指導方式であったことも重なり、チームメンバーのモチベーションは非常に低く、精神的に追い込まれた状態であったと思います。
この時の経験が原体験として大きく影響しており、そこで働く人が高いモチベーションで明るく仕事ができるよう、職場環境に「ほめる、ほめ合う」ことを普及できないものかという思いを持ったことが今考えればきっかけなんだったと思います。
序盤は少し緊張した面持ちの今西さん
ご覧のとおりインタビューアーのイッティも真顔です
(イッティ)少し意地悪な言い方かもしれませんが、この時に感じた不平不満などの原因を解消したいという思いが起業につながったということですか?
(今西)そんなイメージであっています。この、メーカ在籍時の課題感もありましたが、次の職歴として経験した小売り業でのマネージャ職でも強く感じることがありました。
当時は、マネージャとしてメンバーとのコミュニケーションが取れていると私なりに感じていました。ですが、後々分かったことですが、実はメンバーの中に、もっと評価されてもいいと不満をため込んでいる人がいたんです。つまり、私が感じていた「メンバーとコミュニケーションが取れている」という感覚は、私からの一方的な幻覚に過ぎず、メンバーから見たら本当に私に伝えたいことは伝えられていなかったという状況でした。
私は、上辺だけのコミュニケーションだけで判断してしまっており、言いづらいことでもざっくばらんに伝えられる、そのような、職場環境を作ることができていなかったと痛切に感じた出来事だったと思います。
これが2つめの原体験ですね。
(イッティ)なるほど。昨今は、SNSやチャットなど、コミュニケーションツールの発達が目覚ましく、益々便利になっていますが、本当に有効なコミュニケーションのためには感情のある人にフォーカスを当てるべきかもしれませんね。それで、まさに人の感情にフォーカスをあてた「エモーションテック社」を起業されたということですか?
(今西)はい。そうです。
(イッティ)実際に起業されてからは、人間関係の感情面から職場環境を改善するため、「ほめ合う」ことを促す従業員満足度向上アプリ等を試行されたと伺いました。
(今西)はい。でも上手くいきませんでした。今、考えれば計画性がなかったなと。起業前に通ったビジネススクールの先生に、「まずはやってみること」の重要性を説かれ、そのまま実践したんですが、さすがに計画性がなさすぎて、当時は色々と苦労しました。でも、今になって分かるのは、実践してきたことで得た経験こそが座学で学ぶことを遥かに凌ぐ貴重なものであったということです。この先生は、まさにアントレプレナーを志すものとして最も重要なことの真理を一言で言い当てられていたんだと思います。
(イッティ)なるほど…。深イイですね!やはり色々と紆余曲折があった中で、現在注力されている顧客満足度を測る指数であるNPSに出会われたときはビビっときましたか?
(今西)はい、本当にやりたいことは一番初めの従業員満足度向上アプリがやりたいことだったんですが、ビジネスとして成立しませんでした。そのためアプローチを変えました。
従業員満足度向上ではなく、今は、お客様が満足していただけることによって、自分たちも幸せになれるよう目指しています。やっていることの軸は変わらず、目指しているものは一緒だと考えています。
(イッティ)一緒ですか!?相反することのようにも思えますが…?
(今西)ええ。山の上り方を変えたイメージですね。最初は闇雲に登っていましたが、険しくて全然登れなかった。登り方を変えたら、登れると感じたのが、NPSとの出会いでした。登ろうとしている山は同じですね。
もともと課題感は感じている状況でしたので、NPSに出会ったときは、メンバーの全員がこれだ!と感じました。
(イッティ)ここからは起業そのものについて、今西さんの哲学を伺いたいと思うのですが…
起業は、起業家の方が自ら感じた問題点や課題を解決させる、マイナスを改善することから志す場合と、未来の理想を描き実現させようとする、プラスに改善することから志す場合の2種類に大きく分かれると思いますが理想はどうあるべきだと考えられますか。
(今西)どっちもありだと思います。ただ、明確な課題感があるほうが、事業として立ち上げやすく、周りの賛同も得やすいと思います。私は正に前者でした。
(イッティ)周囲の賛同を得るという意味では、夢を描く方が得やすいとも思うのですが…
(今西)はい、そういう意味では私はあまり夢がない状態だったかもしれません。堅実なビジネスをやっているので、事業が世の中で一気に使われるサービスになることはあまりイメージしてません。
私は、自分自身が傷ついてきた課題が、僕らの作ったもので同じよう悩むことがないようにすること、そのようなソリューションを提供した後の世界を想像すると、僕らのやっていることの社会的意義があると感じています。
そういう意味では、マイナスからのスタートでもプラスに転化してきたのかもしれません。
この思いに共感してもらえる仲間を得たことが今に繋がっていると常々感じています。
(イッティ)実際に起業してみて意識的なもの、目指すもの、この他にも何か変わったことってありましたか?
(今西)決定的に違うのは、何よりも『責任感』が真っ先に思い浮かびますが、楽しくなったことが2つあります。
1つは、自分でやりたいことを考えられる。起業前は、やりたいことは、何らかの制約がある中でしたので、できないこともありました。今は、やりたいことに全力を注げる。選択の自由があります。
もう一つは、誰と働くか選べることです。これは経営者の特権だと考えています。
当社は、理念が明確なので、理念を共有できるメンバーとだけでやれます。
これは非常に楽しいことで、起業する前はそうはいきませんでした。
(イッティ)では、逆に変わらないものはありますか?
(今西)やはり、その理念ですね。こういうものが作りたいというもの、先ほどは山に例えましたが、それは変わらないですね。
(イッティ)そうですか。経営者というものは孤独なものだと思いますが、やりたいことと責任との狭間で悩みなどを誰かに相談することなどありますか?
(今西)私は社内で分かち合える人がいるので助けられています。ただ、自分が絶対にネガティブになってはいけないときがあって、そういう時はつらいものがあると思います。ですが、仲間には恵まれているので、そのようなケースは少ないですね。
ただ、人が増えてくると、理念浸透を行う難度が上がってきます。そこは難しいとは感じますが、努力をし続けるしかないので、日々がんばっています。
(イッティ)最後にエモーションテック社の代表として経営方針を少し伺えればと思います。
御社は事業として顧客満足度向上を目的としたNPSソリューションを提供されていますが、一方では今西さんの原点として従業員満足度向上が起業の精神だったかと思います。
自社の経営方針としては、どちらにウェイトを置かれているのでしょうか?
(今西)いやー、いい質問ですねー!実は常に社内で議論していることなんです。現時点では、当社の結論としては、やはりクライアントです。なぜかというと、僕らはそういう世の中を作る集団だと考えているので、クライアントに対して価値を提供していくことが最も重要だと捉えているからです。僕らが自己満足でやっても、お客様に価値を提供できていないようでは、世の中に広がっていかない。だから、当社が重視しているのは、クライアントの満足度です。
これをある程度やりきれば、インターナルの満足度を向上していこう、と社内では決めているんです。
具体的には2025年度を目標として設定しており、その目標が達成できれば、どんな会社でも、基盤として当社のサービスが浸透できている状況になります。その世の中ができたときに、当社の内部の満足度を高める段階になると考えています。
(イッティ)ありがとうございます。では、今後の戦略について教えてもらえますか。
(今西)会社のミッションはすべての人が生き生きと働ける会社を作る。それをいかに早くやりきるかを考えています。2025年までに売上1,000億を一つのベースに見据えてやっています。トピックス的には、12月に新サービスを現行システムのリニューアルというイメージで行おうとしています。
これを、いろんな企業に使っていただきたいと考えています。
あくまで過程なので、特に意識していこうとはしていませんが、2019年度の上場も一つのターニングポイントとして設定しています。
編集後記
ありがとうございます。起業前の過去から未来に向けた事業戦略まで、様々なお話をありがとうございます。
記念すべきアントレプレナー列伝初回は、株式会社エモーションテック 代表取締役の今西様でした!
今後のエモーションテックの活躍が楽しみです!!
株式会社Emotion Tech (エモーションテック)
※旧 株式会社wizpra
URL:https://www.emotion-tech.co.jp/
事業内容:顧客の声を起点とした経営課題の解決、サービス品質の向上を行うサービス、「Emotion Tech」の開発・運営